論文から、シーシャを読む。
シーシャ(水たばこ)に関する研究論文を、毎週ひとつ選んで紹介します。香りの化学、炭の科学、数百年の歴史、そして健康のこと。原典を読み、数字を確かめ、店にとって都合の悪いこともそのまま残します。
この連載が業界の健全な発展に寄与せんことを。
S2 SHISHA店主 敬白
※ これは学びと楽しみのための読み物です。紹介する研究のエビデンスの強さはさまざまで、記事ごとに「これは査読論文」「これは諸説ある話」を明記します。シーシャは「たばこ」であり、健康への影響があります。医療的な助言ではありません。
記事一覧

レバノンでシーシャが広がった理由
成人参加者が挙げた六つの要因と、全たばこ製品を対象にする政策結論
2007年、レバノンで募集された18〜74歳の成人220人への質的研究です。利用環境、費用分担、革新、感覚、メディア、政策をめぐる参加者の説明から、著者らがたばこ規制枠組条約(FCTC)とMPOWERの実施を求める結論までをたどります。
出典: BMC Public Health(2011年) / Nakkash、Khalil、Afifi(レバノン)査読論文続きを読む →
シーシャは、幅広い健康問題と関連していた
――ただし、根拠の質は低かった
24か国、807,174人を含む191件の観察研究を統合。62項目中31項目で有意な効果量が示され、関連は複数のがん、循環器・代謝、生殖、呼吸器、出生、歯科にまたがった。
出典: Systematic Reviews(2025年) / Mahdi Sepidarkishら系統的レビュー・メタ分析続きを読む →
シーシャの煙には、とても小さな粒子が多かった
――とくに多かったのは、吸い始めの10分間
シーシャの主流煙には、とても小さな粒子が高濃度で含まれていた。気体中の有機成分はグリセリンの寄与が圧倒的で、固体・液体の粒子では糖に由来する成分が中心だった。
出典: Aerosol Science and Technology 53巻9号(2019年)/カリフォルニア大学アーバイン校査読論文続きを読む →
たばこ葉を使わなくても、有害物質は出る
――はっきり違ったのは、ニコチンだけ
たばこ葉入りと、たばこ葉不使用フレーバーの煙を6項目で比較した。両方の煙から相当量の有害物質が測られ、統計上はっきり差が出た評価項目はニコチンだけだった。
出典: Food and Chemical Toxicology(2012年)/ アメリカン大学ベイルート校ほか査読論文続きを読む →
若い成人は、シーシャの害を軽く見ていた
――米国の成人調査で見えた、知識のすき間
害を軽く見る認識は、若い成人、大学教育を受けた人、紙巻きたばこの経験が生涯100本未満の人、シーシャ経験者と関連していた。著者らは、このうち若い成人、大学教育を受けた人、生涯100本未満の人へ正しい情報を届ける必要性を指摘している。
出典: Addictive Behaviors(2017年)/ジョージア州立大学査読論文続きを読む →
たばこは、なぜ禁止を越えたのか
――オスマン中東で広がった、社交と快楽の文化
論文が追ったのは、禁令の成否より、その外側で育った文化だった。たばこの利便性と、とくにパイプの携帯性によって、楽しむ場と人の交わり方が広がる。その文化の広がりに、政治と宗教の権威も譲歩していった。
出典: American Historical Review 111巻5号(2006年)1352–1377頁 / James Grehan(ポートランド州立大学)査読論文続きを読む →
すぐ火がつく炭は、一酸化炭素が2倍以上だった
――高温だったのは、むしろ天然炭のほう
すぐ火がつく炭の平均CO濃度は、天然炭の2倍以上だった。ところが温度は天然炭のほうが高い。COの多さと熱さは、同じ順番にならなかった。
出典: Undersea & Hyperbaric Medicine (2015年、42巻4号) / デューク大学査読論文続きを読む →
シーシャの「香り」を固相マイクロ抽出法で分析
114種類の分子。加熱実験ではコールタールを示唆する成分も
通常分析では13製品から114種類の揮発性分子が見つかった。炭を混ぜた加熱実験ではコールタールを示唆する混合物が放出されたが、その由来をフレーバーと炭に切り分けられない。
出典: Scientific Reports (2018年) / カイロ大学ほか査読論文続きを読む →