すぐ火がつく炭は、一酸化炭素が2倍以上だった
――高温だったのは、むしろ天然炭のほう

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すぐ火がつく炭(クイックライト炭)と天然炭を、同じ条件で比べた研究があります。90分の平均一酸化炭素(CO)濃度は、クイックライト炭が天然炭の2倍以上。ところが温度は、天然炭のほうが高い。少なくともこの実験では、COが多い側が高温だったわけではありません。
炭を、90分測る
研究チームが比べたのは、クイックライト炭と天然炭です。目的は、シーシャに使う炭の種類でCOの出方が変わるかを確かめることでした。
実験では、重さ9〜10gの炭を一つずつ使いました。測定時間は90分。CO濃度と燃焼時の温度を、3分ごとに記録しています。
一酸化炭素は、2倍以上
90分の平均CO濃度は、クイックライト炭が3,728ppm、天然炭が1,730ppmでした。クイックライト炭は、天然炭の約2.2倍です。
ppmは、気体の濃度を表す単位です。差は統計上も有意でした(p=0.016)。統計上有意とは、今回の差を偶然だけでは説明しにくい、という判定です。
高温だったのは、天然炭のほう
CO濃度と反対の順番になったのが、燃焼時の温度です。温度は天然炭が292℃、クイックライト炭が247℃。天然炭のほうが高く、こちらも統計上有意な差でした(p=0.013)。
CO濃度が高かったのはクイックライト炭、温度が高かったのは天然炭。少なくともこの実験では、「高温の炭ほどCO濃度も高い」という並びにはなっていません。
ただし、この結果だけでCO濃度に差が出た理由までは決められません。分かるのは、同じ条件で比べたとき、二種類の炭でCO濃度と温度の結果が逆向きになったことです。
炭の選び方に、COという物差しを足す
著者らは、クイックライト炭から出た高いCO濃度が、重度のCO中毒による入院の増加に寄与している可能性があると述べています。可能性を示したのであって、この実験だけで入院の原因を確定したわけではありません。
シーシャを扱う側の読みとしては、炭を選ぶ物差しにCOを加える理由になります。火がつきやすいか、どれくらい熱いか。それだけで炭の違いを語るには、結果の並びが少々ややこしい。
炭は熱源です。ただ、熱だけを見ていれば済むわけではない。
S2はこう読む
- 重さ9〜10gの炭を一つずつ90分測ると、平均CO濃度はクイックライト炭が3,728ppm、天然炭が1,730ppmでした(p=0.016)。
- 温度は、天然炭が292℃、クイックライト炭が247℃でした(p=0.013)。CO濃度が高い側と、温度が高い側は逆です。
- 著者らは、クイックライト炭の高いCO濃度が、重度のCO中毒による入院の増加に寄与している可能性があると述べています。
正直な注意書き
- この研究は、重さ9〜10gの炭を一つずつ使い、90分間、3分ごとにCO濃度と温度を測った比較です。
- 「2倍以上」は、実験で得た90分の平均CO濃度の比較です。人が吸い込んだCOの量が2倍以上だった、という意味ではありません。
- この研究条件で得た倍率を、すべてのクイックライト炭と天然炭にそのまま当てはめることはできません。天然炭でもCOは測定されており、天然炭ならCOが出ない、あるいは安全という意味でもありません。
- 重度のCO中毒による入院への寄与は、著者らが示した可能性です。この実験だけで因果関係を確定したものではありません。