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Aroma & Chemistry2026.07.184分で読めます

シーシャの「香り」を固相マイクロ抽出法で分析

114種類の分子。加熱実験ではコールタールを示唆する成分も

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この論文では、13種類のシーシャフレーバーの「香り」を、揮発性の分子を集める固相マイクロ抽出法で分析しました。13製品から計114種類の揮発性分子が見つかりました。別の加熱実験では、5試料を加熱した炭と混ぜて190℃で10分間処理しました。その結果、フェノール誘導体と多環芳香族化合物の混合物が放出され、これはコールタールを示唆しました。コールタールとは、石炭を蒸し焼きにしたときに出る、黒くねばついたタールです。ただし、放出された混合物がシーシャフレーバー由来か炭由来かは切り分けられません。

固相マイクロ抽出法による分析

研究チームは、通常分析で13製品のシーシャフレーバーから漂う「香り」の分子を集めて分析しました。

13製品の内訳は、エジプト産Dandashのアップル、グレープ、グアバ、KAS ノンアロマ、メロン、スイカと、UAE産Al Fakherのアップル、メロン、シナモン、ストロベリー、マンゴー、ピーチ、リコリスです。

通常分析には、ヘッドスペースSPME(固相マイクロ抽出法)を使いました。製品の上の空間へ出てきた揮発性分子を細い繊維へ集める方法です。通常分析では、50℃で30分間採取しました。後に出てくる190℃処理とは別の条件です。鼻で「甘い」「果物らしい」とまとめる代わりに、揮発した分子を一種類ずつ見分けていきます。

13製品を合わせると、見つかった揮発性分子は計114種類でした。

二つの主要な成分群

この研究の要旨では、エステル類と含酸素モノテルペン類が主要な成分群として挙げられました。どちらも一つの分子名ではなく、いくつもの分子をまとめた分類です。

エステル類は、シーシャフレーバーや紙巻きたばこの香りを向上させるために一般的に配合される成分群です。一つの匂いを指すわけではありませんが、果実を思わせる香りを持つものがあります。

(E)-アネトールは含酸素モノテルペン類に含まれた一つの分子で、アニスを思わせる甘い香りがあります。

炭と混ぜ、190℃で10分

加熱実験の対象は、エジプト産Dandashのグアバ、スイカ、メロンと、UAE産Al Fakherのピーチ、マンゴーの5試料です。各試料0.5gを、それぞれ加熱した炭0.5gと混ぜ、実験用の容器をホットプレート上で190℃、10分間処理しました。フレーバーだけを熱した実験ではありません。

190℃処理では、フェノール誘導体と多環芳香族化合物の混合物が放出されました。

「コールタールを示唆した」の範囲

著者らは、190℃処理で放出された混合物が、コールタールを示唆したと述べています。

ただし、5試料はそれぞれ加熱した炭と混ぜています。この条件では、放出された混合物の由来をシーシャフレーバーか炭のどちらか一方へ決められません。香りの分子からコールタールへの変化を確認した結果でもありません。

「潜在的な健康上の危険」は、この混合物が示唆したコールタールについて研究チームが促した注意です。人の健康影響を実測した結果ではありません。

S2 reads it this way

S2はこう読む

  • 通常分析で、13種類のシーシャフレーバーから計114種類の揮発性分子が見つかりました。
  • エステル類と含酸素モノテルペン類が主要な成分群として挙げられました。エステル類には果実を思わせる香りを持つものがあり、(E)-アネトールは含酸素モノテルペン類に含まれた一つの分子で、アニスを思わせる甘い香りがあります。
  • 5試料をそれぞれ加熱した炭と混ぜる190℃・10分処理で、フェノール誘導体と多環芳香族化合物の混合物が放出され、コールタールを示唆しました。放出された混合物の由来は切り分けられません。
Honest notes

正直な注意書き

  • 記事では、原典の「GREEN GRAPE」を「グレープ」、「KAS Unflavored」を「KAS ノンアロマ」と表記しました。メーカー名は、表注とMethods(方法)節の対応に基づいて各製品名の前に置いています。
  • 通常分析では、ヘッドスペースSPMEを使い、50℃で30分間、揮発性分子を採取しました。190℃の加熱実験は、エジプト産Dandashのグアバ、スイカ、メロンと、UAE産Al Fakherのピーチ、マンゴーの5試料を対象に、各試料0.5gをそれぞれ加熱した炭0.5gと実験用の容器内で混ぜ、ホットプレートで10分間処理したものです。石炭や実機のシーシャは使っておらず、フレーバーだけを熱した実験でもありません。
  • この条件では、加熱後に放出された混合物がフレーバー由来か炭由来かを切り分けられません。190℃処理で放出された混合物がコールタールを「示唆した」のであり、コールタールの存在、香りの分子からの変化、いずれか一方の由来を確認したものではありません。
  • 「潜在的な健康上の危険」は、190℃処理で放出された混合物が示唆したコールタールについて著者らが注意を促した表現です。人の健康影響を直接測った結果ではありません。
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