S2について料金シーシャがはじめての方へフレーバーシーシャ論文まとめ店舗

岡山本店 19:00〜翌5:00
(日曜は16:00開店・定休日なし)
TEL 086-230-4355

倉敷店 15:00〜翌1:00
(定休日なし)
TEL 086-697-5729

シーシャ台の大きさで吸い方は変わる? — 記事キービジュアル
炭・道具2026.10.1612分で読めます

シーシャ台の大きさで吸い方は変わる?

大型は一酸化炭素が増え、小型は唾液中のニコチンが高かった

シーシャ台は大きさがまちまちで、この研究で比べた台も、高さ30cmの小型から98cmの大型まであった。紙巻きたばこのように規格がそろっていないため、台の大きさそのものが吸い方や体に入る物質の量を変えるのではないか、という問いが残っていた。

米国テキサス大学アーリントン校などの研究チームは、シーシャを習慣的に吸う21〜39歳の38人に、小型・中型・大型の3種類の台を別々の日に吸ってもらい、結果を比べた。大型ほど深く長く吸い込み、吐く息の一酸化炭素が増えた。一方で唾液中のニコチンは小型で最も高く、台の大きさによって増える物質の向きが分かれた。

研究の概要

研究の型
同じ人が3条件すべてを試す交差試験(実験室での臨床研究)
対象
週1回以上のシーシャを6か月以上続けている21〜39歳の38人(米テキサス州)
比較した条件
シーシャ台の大きさ3種類(小型・中型・大型)。フレーバー、炭、ボウル、ホースは共通
測ったもの
吸い方の記録、唾液中のニコチン、吐く息の一酸化炭素、吸った感想と害の認識
主な結果
大型で吸う量と一酸化炭素が多く満足感も高い。小型で唾液中のニコチンが最も高い

なぜ台の大きさを調べたのか

論文はまず、シーシャが米国の若い世代で根強い人気を保っていることを挙げる。2023年には米国の中学生・高校生の推計29万人が過去30日以内にシーシャを吸っていた。シーシャはニコチン依存や、がん、心臓や肺の病気との関連が報告される一方、紙巻きたばこより害が少ないという誤解も広く見られるという。

米国ではシーシャ製品とその部品も規制の対象だが、シーシャに特化した規制は世界的に見ても限られる。そのうえ市場には、大きさやデザインの異なる台が数多く出回っている。

シーシャ台は、フレーバーを詰めるボウル、ボウルと下の容器をつなぐ管(ステム)、ホース、水を入れて煙を冷やす容器(ボトル)からなる。論文は先行研究を引いて、製品によっては台の高さが20cm以上違うこともあると述べている。オンライン販売店の中には小型の台を「初心者向けのいちばんのシーシャ」と宣伝する例もあると著者らは指摘する。

先行研究では、機械で吸わせる実験で、小型の台ほど小さく有害な粒子が高い濃度で出ることが示されていたが、人が吸う場面では確かめられていなかった。研究チームは、大型の台ほど吸い方や一酸化炭素・ニコチンの取り込み、満足感などへの影響が大きくなるという仮説を立て、実験室で検証した。

同じ人が3種類の台を吸い比べた

実験は、1人が3条件すべてを試す交差試験として組まれた。違いは台の大きさだけで、大型は水を入れるボトルの容量1750mL、ステムの長さ86cm、全体の高さ98cm、中型は680mL・45cm・57cm、小型は600mL・23cm・30cmだった。市販品でよく見られる大きさの範囲から選んだという。

参加者は、テキサス大学アーリントン校の周辺でチラシや口コミを通じて集めた、健康な21〜39歳の38人だ。過去6か月間に週1回以上シーシャを吸っていることを条件とし、持病や妊娠がある人、ほかのたばこ製品を月5回以上使う人などは除いた。

参加者は3回来所し、各回で異なる大きさの台を吸った。来所の間は48時間以上あけ、吸う順番は参加者ごとに入れ替えた。来所前の12時間以上はたばこ製品を使わないよう求め、吐く息の一酸化炭素が5ppm未満であることで確認した。ppmは100万分の1を表す濃度の単位だ。

フレーバーは人気メーカーAl Fakherのダブルアップルフレーバーにそろえ、陶器のボウルに15gを詰めて穴を開けたアルミホイルで覆い、着火剤入りの炭=クイックライトチャコール(Starbuzz)を1個だけ載せた。ステムの先が2.5cm水に浸かるように水を入れ、ボウルや使い捨てホースも全条件で共通にした。参加者はリクライニングチェアに座り、最長45分まで好きなように吸った。

吸い方、体内の物質、感想を測った

吸い方は、ホースを通る圧力の変化をデータに変える装置で記録した。1回に吸い込む時間、吸い込む勢い(平均流量)、吸った回数、吸い込んだ煙と空気の総量、1回あたりの量などが分かる。

体に取り込まれた物質の目安として、吸う前と吸った直後に唾液を採ってニコチン濃度を測り、吐く息の一酸化炭素濃度も測った。一酸化炭素は炭などが燃えるときに出る気体で、吐く息の濃度は直前にどれだけ取り込んだかの目安になる。

吸った後には、「満足できた」「味がよい」「集中できる」などの感想や、ニコチンの強さ、のどや気管での煙の強さを1〜7点で尋ねた。今回の台がふだんの大きさに比べてどれだけ有害だと思うか、紙巻きたばこやシーシャ全般と比べてどれだけ有害だと思うかも同じ7段階で聞いた。初回の来所時には、吸い始める前に、どの大きさが最も煙を多く出し、最も健康に悪いと思うかも尋ねた。

結果は年齢と性別の影響を差し引いたうえで3種類の台の間で比べた。機器の不具合などで、一酸化炭素は37人、唾液中のニコチンは36人分で分析した。消費したフレーバーの量は、最初の15gから残りを引いて求めた。

参加者の特徴と、減ったフレーバーの量

参加者の平均年齢は24.9歳で、73.7%が男性、81.6%が学生だった。シーシャを吸い始めた年齢は平均19.1歳、1か月に吸うボウルの数は平均6.0個で、97.4%がほかの人と台を共有して吸っていた。ふだん使う台の大きさは中型が55.3%、大型が31.6%、小型が13.2%だった。

消費したフレーバーの量は3種類の台の間で有意に違い、大型が3.71gと最も少なく、中型4.32g、小型5.44gの順に多くなった。同じ15gを詰めても、小さな台ほど多くのフレーバーが減っていたことになる。

大型ほど深く、長く吸い込んだ

吸い方の指標の多くは、台が大きいほど値が大きくなる傾向を示した。1回に吸い込む時間は大型が2.48秒で、中型2.20秒、小型2.18秒より有意に長かった。吸っていた時間の合計も大型が6分50秒で、中型5分9秒、小型5分14秒より有意に長かった。

吸い込んだ量の差はさらにはっきりしていた。1回のセッションで吸い込んだ総量は、大型が小型・中型より有意に多く、大型117.69L、中型79.73L、小型77.92Lだった。1回あたりの平均量と最大量も、大型が小型・中型より有意に大きかった。平均量は大型0.78L、中型0.63L、小型0.57L、最大量は大型1.63L、中型1.30L、小型1.19Lだった。吸い込む勢い(平均流量)は、大型、中型、小型の順に大きく、3種類のどの組み合わせでも有意な差があった。

吸った回数は大型186.82回、中型165.11回、小型164.35回と大型ほど多い傾向だったが、統計的な差は認められなかった。

ニコチンは小型、一酸化炭素は大型で高かった

唾液中のニコチン濃度は、どの台でも吸った後に大きく上がり、吸った後の濃度は小型が中型・大型より有意に高かった。濃度の単位ng/mLは、唾液1mLあたりのナノグラム(10億分の1g)を表す。小型は吸う前の7.8ng/mLから吸った後は1066ng/mLへ上がり、1058ng/mL増えた。中型は8.1ng/mLから576ng/mLへ上がり、568ng/mL増えた。大型は11ng/mLから688ng/mLへ上がり、677ng/mL増えた。

吐く息の一酸化炭素は逆の結果になった。吸う前はどの条件も1.6ppm前後だったが、吸った後は小型で71.59ppm、中型で64.65ppmに上がったのに対し、大型では98.05ppmに達した。増加分は小型69.95ppm、中型63.03ppm、大型96.44ppmで、吸った後の濃度は大型が小型・中型より有意に高かった。

感じ方と、害の受け止め方

吸った後の感想では、「満足できた」「味がよい」「集中できる」「目が覚める」の点数が大型で最も高く、3種類の間に有意な差があった。「いらいらが減る」だけは中型で最も高かった。一方、「ニコチンが強く感じられた」「のどでの煙の強さ」「気管での煙の強さ」の3項目は、小型が中型・大型より有意に高かった。

害の受け止め方では、台の大きさによる違いは見られなかった。吸った台が紙巻きたばこやシーシャ全般と比べてどれだけ有害かという評価も、ふだん使う大きさと比べてどれだけ有害かという評価も、3種類の間で有意な差はなかった。

ただし初回の来所時、吸う前に尋ねた見方には偏りがあった。最も健康に悪いと思う大きさに答えた26人のうち57.7%が大型を挙げ、小型は19.2%、中型は15.4%だった。最も煙を多く出す大きさとしても、57.9%が大型、36.8%が中型、5.3%が小型を挙げた。

研究チームはどう解釈したか

著者らは、大型で一酸化炭素が増えた理由を台の構造に求めている。大型はステムが長くボトルも大きいため、煙を引き出すにはより深く強く吸い込む必要があり、その分だけ吸い込む煙の量と一酸化炭素の取り込みが増えるという説明だ。一酸化炭素は急性・慢性の中毒を起こしうる物質で、シーシャによる中毒の報告もあると論文は述べている。

小型でニコチンが高かったことには、二つの説明を挙げる。一つは、小型ほど消費したフレーバーの量が多かったこと(小型5.44g、大型3.71g)だ。もう一つは先の機械実験の知見で、長いステムでは煙が水に届く前に小さな粒子が減るのに対し、短いステムの小型では小さなニコチン粒子が煙に多く残る可能性があるという。この仕組みは今回の実験で直接測ったものではない。

著者らは、小型の台が初心者向けとして売られていることと今回の結果が重なれば、若い人の依存を早める恐れがあるとし、台の大きさと依存との関係を今後調べるべきだとしている。

感じ方にも食い違いがあった。吸う前は多くの参加者が大型を最も健康に悪いと考えていたのに、吸った後は今後使いたい台として大型を選ぶ人が多かったと著者らは考察で述べ、健康への見方より台の大きさそのものが好みを左右している可能性を指摘する。小型で刺激が強く感じられたのは、フレーバーが多く燃えたことと関係している可能性があるという。

研究の限界

著者らは限界も挙げている。参加者の大半は大学生で、実験室はふだんシーシャを吸う場とは違う。研究チームはリクライニングチェアを置き、スマートフォンの使用を認めるなど、カフェに近い環境を再現しようとした。

人数が少ないため、結果に影響しうるほかの要因を十分に調整できなかった。また市場の台は同じ大きさの区分の中でも形がさまざまだが、著者らは区分の間の差のほうが大きいと見込んでいる。

台の大きさも規制の対象に

著者らは、大型の台では吸い方が強まり一酸化炭素の取り込みが増え、満足感も高まった一方、小型の台では唾液中のニコチンが最も高くなったとまとめ、シーシャ台の大きさは吸う体験と有害物質への曝露を大きく左右すると結論づけた。そのうえで、台の大きさに応じた基準を設けて販売や宣伝を規制する必要があると主張している。

今後の課題としては、発がん性のある多環芳香族炭化水素や、肺の病気につながるアルデヒド類といった有害物質の発生量を、台の大きさや炭・電気ヒーターなどの熱源の組み合わせごとに詳しく調べることを挙げている。

この記事の要点

  1. 38人が小型・中型・大型の台を吸い比べると、大型ほど1回に深く長く吸い込み、吸い込んだ総量も多かった。
  2. 吸った後の吐く息の一酸化炭素は大型が最も高く、唾液中のニコチンは小型が最も高かった。
  3. 満足感や味の評価は大型で高く、ニコチンの強さやのどへの刺激は小型で強く感じられた。

読むうえでの注意

  • 結果は、Al Fakherのダブルアップルフレーバー15gとクイックライトチャコール1個という条件の実験室で得られたもので、参加者の大半は大学生だった。
  • 小型でニコチンが高く、大型で一酸化炭素が多かった仕組みは著者らの解釈で、今回の実験で直接確かめたものではない。

公開 2026.10.16
記事は論文の要約であり医学的な助言ではありません