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シーシャのツイート、9割近くが肯定的 — 記事キービジュアル
社会・心理2026.10.2311分で読めます

シーシャのツイート、9割近くが肯定的

Twitterの投稿を分類すると、否定的な声は1割に満たなかった

シーシャは米国の若い世代で広がり、紙巻きたばこより害が少ないと受け止められやすい。若者はSNSで飲酒や大麻などの話題をよくやり取りしており、SNS上のシーシャの話題も若者の利用に影響しうる。

米国ワシントン大学(セントルイス)などの研究チームは、Twitter(現X)のシーシャ関連ツイートのうち影響力の大きい利用者の投稿を、シーシャを当たり前のものとして描くか、思いとどまらせるかで分類し、繰り返し現れる話題も調べた。

研究の概要

研究の種類
SNS投稿の内容分析(探索的研究)
対象
2014年4月12日〜5月10日に投稿された英語のシーシャ関連ツイート358,523件
分析した投稿
フォロワー数と影響力スコアがともに上位25%の利用者の投稿から無作為に選んだ5,000件(最終的に4,978件)
分類の方法
オンラインの作業者が1件につき3人以上で評価するクラウドソーシング。研究チームの評価と照合して一致度を確認
主な結果
肯定的87%、否定的7%、中立・判別不能6%。肯定的な投稿の46%は投稿者がシーシャを吸っている、または吸いたいという内容

広がるシーシャと、SNSでの語られ方

論文によると、シーシャは米国の大学生世代で人気があり、2015年の論文発表の時点で、中高生の利用は最近ほぼ倍増していた。若い世代の紙巻きたばこ利用が数十年かけて減ってきたのとは逆の動きだ。シーシャでは紙巻きたばこの煙と似た有害物質にさらされ、一酸化炭素を吸い込む量も増えるが、害は少ないと広く思われている。紙巻きたばこのような悪いイメージもなく、人との交流を促す、流行の楽しいものと受け止められている。

SNSの投稿は大麻や飲酒をよくあることとして描き、未成年でも肯定的な発言を簡単に目にできる。だが、SNS上のシーシャの話題を調べた研究は少なく、Twitter上のシーシャの話題だけに絞った研究はなかった。そこで著者らは、肯定か否定か、どんな話題が多いか、商業的な宣伝がどれだけあるかを探索的に調べた。

なお、次の点は論文の対象期間(2014年)と発表(2015年)より後のことで、論文は触れていない。2019年12月から、米国では連邦法でたばこ製品を21歳未満に売ることが禁じられた。たばこの葉を使うシーシャ用フレーバー(たばこ葉使用フレーバー)も対象に含まれる。現在の連邦法では、中高生は店で買えない年齢にあたる。

約1か月分の全ツイートから5,000件を選ぶ

研究チームは、全ツイートを受け取れる分析会社を通じて、2014年4月12日から5月10日までの約145億件から、シーシャを指す英語の代表的な2語とその別つづり、それぞれのハッシュタグを含む英語のツイートを集めた。検索の人気やツイート量を示すサイトで、最も一般的な語だと確かめたうえでの選択だ。集まったのは358,523件で、シーシャペンや電子シーシャといった電子機器に触れたものも、人気が高まっているためあえて含めた。

次に、影響力の大きい投稿に絞った。指標は投稿者のフォロワー数と、SNS上で人を動かす力を1から100で示すKloutスコアで、両方が上位25%(フォロワー874人以上、スコア43.9以上)の利用者の投稿を選んだ。上位10%ほど狭くしなかったのは、有名人やニュース系以外の影響力のある利用者も含めるためだ。特定の利用者への直接の返信は、前後のやり取りがないと読み取りにくいため除いた。

条件を満たした39,824件から5,000件を無作為に選び、シーシャの話か判断できない22件を除いた4,978件を分析した。データは公開情報で、人を対象とする研究には当たらないとされた。

オンラインの作業者が分類し、研究チームが確かめる

各ツイートは、シーシャに強く反対(1)から、強く当たり前のものとする・勧める(5)までの5段階で評価した。肯定的とは、シーシャを普通のことに見せる、楽しい体験として描く、利用を勧めるもの。否定的とは、利用を思いとどまらせる、不快な体験や気持ちを表すものだ。分析では否定・中立・肯定の3区分にまとめた。

繰り返し現れる話題(テーマ)は、以前の大麻関連ツイートの分析をもとに一部を事前に決め、残りは研究チームの2人が約300件を読んで見つけた。肯定的なテーマは7つ、否定的なテーマは5つで、1件が複数に当てはまってもよい。

分類には、大勢のオンライン作業者に小さな作業を分担してもらうクラウドソーシングを使った。作業者は研究チームが用意した試験問題で80%以上正解しないと作業できず、作業中も同じ水準を保てなければ外され、回答は捨てられた。1件を3人以上が評価し、5段階の評価は平均点で3区分に振り分けた。

研究チームが別の200件を自分たちで分類して比べると、肯定か否定かの一致度を表す級内相関係数(1に近いほどよく一致)は0.76だった。テーマの一致度を表すκ係数(偶然の一致を差し引いた指標で、1が完全一致)の中央値は、肯定的なテーマで0.85、否定的なテーマで0.66で、著者らは良好と判断した。

87%が肯定的、届く範囲は否定的な投稿の14倍

4,978件のうち、87%(4,307件)がシーシャを当たり前のものとして描くか、利用を勧めていた。否定的な投稿は7%(370件)、中立か判別不能は約6%(301件)だった。

著者らは、投稿者を重複なく数えたフォロワー数の合計を「潜在的な到達範囲」とした。肯定的な投稿(投稿者3,147人)は21,671,270人、否定的な投稿(360人)は1,536,432人で、肯定的な投稿の到達範囲は否定的な投稿の14倍だった。

肯定的な投稿の中身:吸っている、吸いたい、宣伝

肯定的な4,307件で最も多かったのは、投稿者がシーシャを吸っている、または吸いたいという内容で、46%(1,975件)を占めた。「今夜はシーシャがよさそう」といった投稿だ。

27%(1,160件)は、店・ラウンジ・イベントでのシーシャの宣伝や、シーシャ製品の広告だった。その85%(982件)はバー・クラブ・イベントでのシーシャの宣伝で、発信元の60%はDJやイベントの宣伝担当者、8%は店自身、32%はその他か不明だった。製品の販売広告は約12%(134件)。なお論文冒頭の要旨では宣伝を19%としているが、本文と表では27%で、19%は曲の話題の割合にあたる。

約19%(837件)はシーシャを歌った曲に関するもの、15%(625件)は酒や大麻など他の物質に触れたもの、9%(385件)はシーシャペンや電子シーシャに触れたものだった。性や恋愛に触れたもの、最近吸ったと書いたものはそれぞれ2%だった。

否定的な投稿の中身:かっこ悪い、体に悪い

否定的な370件では、66%(246件)が、シーシャは魅力がない、かっこ悪い、気持ち悪いという内容だった。約20%(74件)は、健康に悪い、頭痛や吐き気などの悪影響があると強調していた。10%はシーシャより大麻など別の物質がよい、8%は吸わない・試したくない、3%はシーシャをやめることについての投稿だった。

SNSに広がる肯定的な声と、宣伝

29日間で358,523件が集まったことから、シーシャ関連ツイートは1日1万2,000件以上と著者らは推定する。大麻(1日25万件超)や酒(40万件以上)よりは少ないが、2012年の電子たばこ(1,200件)よりずっと多い。仲間の喫煙行動は若者のたばこ利用に大きく影響し、SNSの時代にはその影響がオンライン上のつながりにまで広がる。肯定的なメッセージがあふれれば、さらに多くの若者がシーシャを試すようになりうるという。

著者らは、宣伝されるバーやイベントのような場が、若者を引きつけるシーシャの社交的な側面を後押ししやすいと考えている。米国では屋内禁煙法が広く採用されているが、シーシャバーは除外されることが多い。大都市100都市を調べた研究では、バーでの紙巻きたばこを禁じた73都市のうち69都市に、シーシャを認める例外があった。著者らは、シーシャを屋内禁煙法の対象に含めれば、シーシャの受動喫煙(他人の煙を吸わされること)を減らし、シーシャに否定的な社会の規範をつくるのに役立ちうるとする。シーシャ関連の店は大学の周辺などで増えており、著者らは、インターネット上のたばこ広告を規制する可能性の検討が必要かもしれないとする。

電子シーシャ、併用、少ない否定的な声

電子シーシャやシーシャペンは、電子たばこと同じく液体を加熱して吸い込む小型の機器だ。著者らは、紙巻きたばこやシーシャより害が少ないかもしれないが、限られたデータからは無害ではないことが示唆されるとし、若者が従来のたばこ製品を使うきっかけになる可能性も挙げる。

シーシャを吸う人は、他のたばこ製品や酒、大麻も使う傾向がある。たばこと酒の併用は口や喉のがんのリスクを大きく高めるため、併用を当たり前とするメッセージが多くの人に届いていることは懸念されるという。

否定的な投稿はわずか7%だった。著者らによると、シーシャは1回の時間が長く深く吸い込むため、紙巻きたばこより高い濃度の有害物質を取り込む可能性があり、シーシャの使用は呼吸器の問題、肺がん、その他の健康への悪影響と関連している。健康への害を伝えるには、オンラインとオフラインの両方での教育が必要だとする。

この研究の限界

対象は代表的な2語と別つづりを含む約1か月分のツイートで、ナルギレなど他の呼び名や長い期間を含めれば、より詳しく分析できる。Twitterだけを調べたため、他のSNSに当てはまるとは限らない。分析は影響力の大きい利用者の投稿に限られ、それ以外の投稿では傾向が違う可能性がある。シーシャに否定的な人は、そもそもTwitterを使う割合が低いかもしれない。

著者らの結論

著者らは、シーシャを当たり前のものとして描いたり勧めたりするツイートがTwitter上でよく見られ、多くの人に届いていることが示唆されたと結論づけた。肯定的な投稿の多くは店と関係のない一般の人によるもので、シーシャバーや製品の宣伝もよく見られた。こうしたメッセージは、投稿のフォロワーにとっての社会の規範に影響し、若者のシーシャ利用をさらに増やす可能性があるという。その影響を打ち消すため、シーシャの深刻な健康への害を若い世代に効果的に伝える公衆衛生キャンペーンが必要だとする。加えて、屋内禁煙法を改正してシーシャバーの例外をなくすことと、インターネット上のたばこ広告を規制する可能性を検討することが賢明だとしている。

この記事の要点

  1. 影響力の大きい利用者のシーシャ関連ツイート4,978件のうち、87%が肯定的、7%が否定的で、肯定的な投稿のフォロワー合計は否定的な投稿の14倍だった。
  2. 肯定的な投稿では「吸っている・吸いたい」が46%、店や製品の宣伝が27%を占めた。
  3. 否定的な投稿では「かっこ悪い・気持ち悪い」が66%、健康への害が20%だった。

読むうえでの注意

  • 2014年の約1か月、英語、Twitterだけを対象にしており、現在や他のSNSに当てはまるとは限らない。
  • 分析したのは影響力の大きい利用者の投稿だけで、すべての投稿の傾向を表すものではない。
  • 投稿の内容を分類した研究で、投稿を見た人の行動が変わるかは調べていない。

補足出典

公開 2026.10.23
記事は論文の要約であり医学的な助言ではありません