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シーシャラウンジの空気はどれほど汚れているか

店内のPM2.5を測ると、10店すべてが「健康に悪い」水準以上だった

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このページの目次

シーシャラウンジは、店内でシーシャを吸える店だ。煙が屋内にこもる以上、吸っている本人だけでなく、同じ部屋にいる客や、そこで働く従業員も煙を吸い込むことになる。では、その空気は実際どの程度汚れているのか。

米国オレゴン州保健局の研究者らは、2010年の7月から8月にかけて、州内で営業していた屋内シーシャラウンジ10店すべてを訪れ、金曜と土曜の夜の混み合う時間帯に、空気中の微小な粒子の濃度を測った。論文は2012年、米国公衆衛生学会の学術誌American Journal of Public Healthに短報として掲載された。

結果は、10店のうち「良好」と判定できる店が一つもないというものだった。最も数値が高い店では、粒子の濃度が「良好」の上限の50倍に達した。著者らは、シーシャラウンジが客にも従業員にも健康上の危険をもたらしうると結論づけている。

Study overview

研究概要

研究の種類
オレゴン州保健局の研究者らによる屋内の空気の測定調査(短報)
対象
2010年7〜8月にオレゴン州で営業していた屋内シーシャラウンジ全10店
測定
携帯型の粉じん計(TSI社SidePak AM510)で直径2.5μm未満の粒子(PM2.5)を測定。金・土曜の21:30〜翌1:00、1店あたり平均約30分
評価の物差し
米国環境保護庁(EPA)の大気質指数
主な結果
各店のピーク値は67〜750μg/m³。「危険」2店、「非常に健康に悪い」4店、「健康に悪い」4店、「良好」0店

煙がこもる店と、法律の例外

論文はまず、シーシャとは何かから説明する。シーシャは、甘味と香りを付けたフレーバーを燃やして吸う器具だ。著者らは先行研究を引き、シーシャの煙にはタールや一酸化炭素など、紙巻きたばこの煙に含まれるのと同じ有害物質が含まれること、典型的な1回の使用で、紙巻きたばこ1本が生む煙の40倍を超える量を吸い込むことを挙げている。

シーシャラウンジは、屋内でシーシャを吸える場を提供し、キャンディーや果物をイメージした数十種類のフレーバーを販売する店だ。店内で吸えば、客や従業員は受動喫煙、つまり他人が出した煙を吸い込むことにさらされうる。米国では多くの州が、受動喫煙から従業員と客を守るため、職場を包括的に禁煙にする法律を施行してきた。ただし、たばこの使用をすべて禁じる州法がある一方で、例外規定を含む州法もあり、その例外のもとでシーシャラウンジが増えてきたと著者らは指摘する。

では、煙による汚れをどう測るか。たばこの煙は多くの化学物質の混合物で、その一部は空気中を漂う微粒子に付着し、一部は気体として存在する。著者らによれば、空気中の粒子状物質の濃度は、たばこの煙による汚染を強く示す指標になる。実際、店内での喫煙を認めるバーやレストランで紙巻きたばこの煙による粒子を測った先行研究では、従業員と客が危険な水準の大気汚染にさらされていたことが示されている。

シーシャについても、実験室で煙の化学成分を調べた研究や、シーシャラウンジから出てきた客の一酸化炭素の値を測った研究はあった。シーシャの煙は、肺がん、呼吸器の病気、低出生体重、歯周病との関連も報告されている。しかし、シーシャラウンジの店内の空気に粒子状物質がどれだけ含まれるかを示した研究は、論文の時点でまだなかった。本研究はこの空白を埋めるため、オレゴン州のシーシャラウンジの空気を測った。

州内の全10店を、同じ装置で測る

調査は2010年7月から8月に行われた。対象はその期間にオレゴン州で営業していた屋内シーシャラウンジで、全部で10店あった。つまり一部を抜き出したのではなく、州内の該当店をすべて調べている。店は、事業者の記録、インターネット検索、郡のたばこ対策担当部署からの報告を使って洗い出した。

測定には、TSI社の携帯型粉じん計SidePak AM510を使った。身に着けて持ち運びながら、空気中の粒子の濃度を記録できる装置だ。著者らは、これが屋内のたばこの煙による空気汚染を測る標準的な方法で、バーなどを調べた先行研究でも用いられてきたと説明している。

この装置が測るのは、直径2.5μm未満の粒子で、PM2.5と呼ばれる。論文によれば、この大きさの粒子は燃焼によって生じ、吸い込むと肺の奥まで届きやすく、心臓や肺の病気による早死にと関連している。燃焼の例として、論文はシーシャのフレーバーが燃えることを挙げている。

客と同じ場所で、気づかれずに

測定は、各店の営業が最も盛んな時間帯に合わせ、金曜と土曜の夜21:30から翌1:00までの間に行った。調査員は粉じん計をかばんやハンドバッグに隠し、空気を取り込む管だけを外に出して持ち込んだ。著者らは、この隠し方は測定値に影響しなかったとしている。

目指したのは、ふつうの客や従業員が実際に吸う空気を再現することだ。そのため調査員は、店内のさまざまな場所を歩いたり立ち止まったりし、シーシャが使われているテーブルにも座って測った。1店あたりの測定時間は平均30分だった。

屋外と店内の空気を区別するため、測定は店に入る前から始め、店を出たあとに止めた。また、店の従業員には調査を知らせなかった。測定値の信頼性を保つためだと著者らは説明している。

人と直接接触しない調査だったため、倫理審査委員会の承認は必要なかったと論文は記している。詳しい方法は、オレゴン州保健局の2010年の報告書に記載されているという。

屋外の空気向けの大気質指数

測った数値の評価には、米国環境保護庁(EPA)の大気質指数を使った。大気質指数は、屋外のPM2.5濃度を「良好」から「危険」までの段階に分ける指標だ。単位は空気1m³あたりのμgで、論文の図と表に示された区切りは、「良好」が15μg/m³未満、「健康に悪い」が56〜140μg/m³、「非常に健康に悪い」が141〜210μg/m³、「危険」が211μg/m³以上である。表には、このうち本研究で該当した3段階が載っている。

屋外向けの物差しを屋内に当てはめたのは、屋内の空気の質には政府の基準がないためだ。著者らによれば、たばこが吸われる屋内環境の空気を測った他の研究も、同じように大気質指数を使って結果を位置づけてきた。

表には、各段階でEPAが屋外の空気について出している健康上の注意も並ぶ。「健康に悪い」では、心臓や肺の病気がある人、高齢者、子どもは長時間にわたる、または激しい身体活動を避け、それ以外の人も長時間にわたる、または激しい身体活動を減らす。「非常に健康に悪い」では、前者は屋外での身体活動をすべて避け、それ以外の人も長時間にわたる、または激しい身体活動を避ける。「危険」では、前者は屋内にとどまって活動を低く抑え、それ以外の人も屋外での身体活動をすべて避ける、とされている。

「良好」の店は一つもなかった

表1は、10店それぞれのPM2.5のピーク値、つまり測定中に記録された最も高い値を示している。「危険」に入ったのは2店で、値は750μg/m³と220μg/m³だった。「非常に健康に悪い」は4店で、177、172、166、156μg/m³。「健康に悪い」は残る4店で、117、83、76、67μg/m³だった。

10店のうち、「良好」の空気だった店は一つもなかった。最も低い店でも67μg/m³で、「健康に悪い」の下限56μg/m³を上回っている。

空気が最も悪かった店では、PM2.5濃度が「良好」の上限15μg/m³の50倍に達した。表の最大値750μg/m³がこれに当たる。

論文は図1として、1店の店内の空気の測定記録を示し、「良好」の上限15μg/m³を点線で引いている。本文によれば、店内の空気と屋外の空気のあいだでは、PM2.5の値にはっきりとした差があった。ただし論文は、屋外の具体的な数値は示していない。

客にも、日々働く従業員にも

著者らは、シーシャラウンジ店内の空気には、たばこの煙に由来する粒子状物質が高濃度で含まれ、その質はEPAの基準で「健康に悪い」から「危険」にわたると結論づけた。この範囲の空気は、心臓や血管の病気、肺の病気がある人や、その他の影響を受けやすい人に健康上の危険をもたらすことが知られているという。

論文は、この結果が、シーシャラウンジが客にとっても、日々長時間にわたって受動喫煙にさらされうる従業員にとっても、健康上の危険になりうることをはっきり示すとしている。

一方で著者らは、窓や扉が開いていたかどうかといった条件は考慮していないと認めている。店ごとの測定値のばらつきは、こうした条件で説明できるかもしれない。それでも、ふだんどおり営業している状態のシーシャラウンジで、健康に悪い、あるいは危険な空気が存在することは示されたと述べている。

法律の例外を見直す

シーシャラウンジが一部の州で営業できるのは、屋内の空気を守る法律に例外があるためだ。オレゴン州では、たばこ販売店の客が買う前に商品を試せるよう設けられた、スモークショップ向けの例外のもとでシーシャラウンジが営業している。

著者らは、こうした例外のない屋内禁煙を実施すれば、すべての客と従業員を受動喫煙の害から守れると主張する。また、州法の例外がシーシャラウンジの営業を認めている場合でも、地域ごとの条例でシーシャラウンジを管轄内で禁止できる可能性があるとしている。

Source takeaways

原典の要点

  • オレゴン州の屋内シーシャラウンジ全10店で、営業が盛んな時間帯にPM2.5を測った。
  • 各店のピーク値は67〜750μg/m³で、EPAの大気質指数では全店が「健康に悪い」以上、うち2店が「危険」、最も悪い店は「良好」の上限の50倍だった。
  • 著者らは客と従業員の健康への危険を指摘し、禁煙法の例外の見直しを提言した。
Reading cautions

読むうえでの注意

  • 示されたのは各店のピーク値で、測定は1店あたり平均30分。営業時間全体を通した濃度を示したものではない。
  • 大気質指数は屋外の空気向けの物差しで、屋内の空気には政府の基準がないため代わりに使われた。
  • 窓や扉の開閉など店ごとの条件は考慮されていない。対象は2010年のオレゴン州の10店に限られ、客や従業員の健康状態は調べていない。
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